金子みすゞの世界観『生きることと死ぬこと~シュタイナーの死生観に学ぶ』2022.4.19.
これから楽交@武蔵野vol.39.
2022年4月19日
テーマ:みすゞさんにとっての神さまとは
☆明暗
満月の夜は明るく 新月の夜は暗い
日の出が太陽の誕生なら 日没は太陽の死
日が没すると暗い世界がやってくる それは大事な眠りの時間
☆眠りの時間に何かが変わってゆく
肉体とエーテル体を地上に残し、アストラル体と自我は見えない世界へ
朝日と共に生まれ、日没と共に死に、毎日新しい生を作るために、古い自我が新しい自我に生まれ変わる
☆人生の日没 = 人生の卒業式
学校の卒業式は、喜びと寂しさの両方がある
お葬式は、人生の卒業式 ただ悲しいと思われるが、そうではない
精神性は死ぬことがない
ずっと繋がっていて、終わりはない
☆みすゞさんと神さま
みすゞさんの詩には、神さまが多く出てきます。
どんな方だったのか知りたくて、小野先生は仙崎を訪ねたことがありました。
みすゞさんのおばさんから、本が大好きだったという子どもの頃の様子を聞いたり、みすゞさんに詳しい方から仙崎を案内してもらいました。
仙崎の風土、街の様子、江戸時代には捕鯨が盛んだったという仙崎の漁港。
みすゞさんが育った大正時代、大漁の浜はお祭りのようだけれど、海のイワシたちにとっては弔いだとみすゞさんは詩っています。
このいつもと違った視点から自然界を見る感性に、心が動かされたそうです。
そしてみすゞさんは、小さな蜂の中にも神さまを見ています。
もし蜂がいなかったら、苺の花が咲いても実りません。
一匹の蜂のいのちは、全体のイノチに連鎖して生かされています。
みすゞさんは、イノチを輪廻するトキとして表現しています。
連鎖するイノチがなければ、神さまは死んでしまいます。
*片仮名のイノチは、魂のイノチの永遠性を表現するときに使っています。
神さまは 小ちゃな蜂の中に
☆ピアニスト・作曲家 島筒英夫さん
小野先生のご友人の島筒さんは、みすゞさんの詩に作曲をし、曲集を出版されています。
そのうちの数曲の録音を聴かせていただきました。
☆「雪」 ~金子みすゞ
青い小鳥を弔う詩です。
「小さなきれいなたましいの 神さまのお国へゆくみちを
ひろくひろくあけようと」 とその詩は終わります。
小野先生は、亡くなった人と意識で繋がっていれば寂しくないと言います。
こちらという現実に、その人の精神性が向こうからやってきてくれるのです。
ひろくひろく道をあけているからです。
☆参加者の声
〇みすゞさんの詩を読んだときと、島筒さんの曲に乗せて聞いたときとでは、また違った部分がぐっと胸に迫ってくる感じがして熱いものが込み上げてきた。
〇学校を卒業するとき、お別れの寂しさはあったけれど、学びを終えて旅立つ喜びがあった。
いつか私が人生の卒業を迎えるとき、きっとお別れの寂しさはあるだろう。
けれど私には、楽しい良い人生だったという喜びがあると思う。
必ずそう思えるように生きていきたいし、私がそう思って旅立っていくことを周りの人々にも知っていてほしいと思った。